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九州史学研究会と九州史学会

 最近購入した著書を拝見していたら、九州史学研究会と九州史学会とが混用されて書かれている事例を複数発見。
 九州史学研究会は、年会費を払う会員によって組織されており、機関誌『九州史学』を年3冊発行し、10月に大会を開催。事務局は、九州大学日本史学研究室にあるが、学会を運営する委員は九大関係者に限定されない構成となっている。日本史分野を中心とする。古代史部会・中世史部会・近世史部会・近現代史部会・歴史資源部会の5部会があり、不定期に研究報告などの部会活動が行われている。Webはこちら
 九州史学会は、過去を遡れば色々あるが、現在は12月に大会のみを開催する組織で、特定の会員はおらず、九大の人文科学研究院と比較社会文化研究院の教員のみによって運営されている。ただし、大会での個別報告は誰もが応募することができる。個別報告の部会は、日本史・東洋史・朝鮮学・考古学・イスラム文明史学・西洋史学の6つで構成されている。Webはこちら
 昭和52年頃までの2つの組織の沿革については、川添昭二「九州史研究の現状」(『中世九州の政治と文化』文献出版、1981年)に詳しい。同論文では、熊本中世史研究会や鹿児島中世史研究会についても触れられている。個人的には、九州史学会と共催することがあった西日本史学会について知りたいと思っている。
 いずれにしても、研究発表の場としては、九州史学研究会大会(10月第3週土日)も九州史学会大会(12月第2週土日)も可能であるが、査読付き論文を発表できるのは九州史学研究会の『九州史学』のみであるし、学会編で専門書も出したりしている(『境界のアイデンティティ』『境界からみた内と外』『アジアのなかの博多湾と箱崎』など)。だから、日本史分野の多くの方が関わるのは九州史学研究会の『九州史学』のはずなのだが、名前が似ているので、九州史学研究会とすべきところを九州史学会と書かれてしまうことがある。
 確かに紛らわしい…。私も九州大学に行くまでは、この2つの組織の違いが全く分かっていなかったから仕方がないのだろうが、でも、そう書かれていると気になってしまう。

追記
九州史学会の東洋史部会とか朝鮮学部会は、それと密接に関係して研究室から『九州大学東洋史論集』とか『年報朝鮮学』とか雑誌を出しているため、日本史分野以外の方は九州史学会の方がご縁が深いです。一方、九州史学会日本史部会と連動する独自の雑誌はないかわりに、まったくの別組織として九州史学研究会の『九州史学』があるというわけです。

by kohjizen | 2021-08-20 01:43 | 大学のこと | Comments(0)

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